ACC診療ハンドブック

日和見疾患の診断・治療

男性尿道炎・女性子宮頚管炎

Last updated: 2016-04-28

病原体

 男性尿道炎・女性子宮頚管炎の最も一般的な原因は、淋菌とクラミジア(Chlamydia trachomatis)で、その混合感染も多い。また、無症候感染が多いが、男性の淋菌性尿道炎の症状は比較的激しく、しばしば尿道から膿の流出をみる。

診断

 淋菌性尿道炎の診断は、尿のグラム染色・培養で行う(写真)。尿PCR検査も補助診断に有用である。多剤耐性淋菌が問題になっているため、必ず感受性検査を行い、治療後の培養陰性化を確認する。クラミジア感染症の診断は、尿中抗原検査か、尿PCR検査で行う。淋菌感染症を診断した場合、20-30%はクラミジア感染も合併していることが知られているため、クラミジアの検査が必須である。

治療

 淋菌はセフェム系薬剤に対して耐性化が進んでいるため、治療前に薬剤感受性検査を提出した後、原則としてセフェム系薬の静注治療を行う。尿道炎の場合は、ceftriaxone1g静注×1回とし、混合感染を考慮してクラミジアの治療も行う。播種性感染の場合はceftriaxone1g1日1回静注を症状改善後、24-48時間経過するまで行う。経口薬としてはセフィキシムが最も抗菌力が強く400mg分2、3日間投与が行われるが、治療失敗率が高い。セフェム系薬剤のアレルギーがある患者の場合には、スペクチノマイシン2.0g筋注単回が選択できるが、本薬剤は咽頭感染には無効である。薬剤感受性を確認した上で、ニューキノロン系薬やミノサイクリンの使用も考慮する。クラミジア感染に対しては、azithromycin 1g ×1回またはdoxycycline 200 mg/分2, 7日間を用いる。パートナーも同時に治療する事も重要である。

写真 淋菌のグラム染色